- 2021.05.27
- スタッフ留学日記
マウントロイヤル大学へカナダ大学卒業留学 後編
正規大学留学(現地の大学で専攻科目を学ぶ)
私は留学前から、留学生活を出来るだけ長く続けて、英語を完璧に習得したいと思っていました。
私は海外にはずっと興味を持っていたのですが、カナダの大学へ行くきっかけとなった、第一歩目の理由は日本の短大に通っていた時に、イギリスへ研修に行かせてもらった事でした。日本とは何もかもが違って映り、憧れと心地よさとカルチャーショックという刺激を受けたのです。研修は2ヶ月という短期間だったこともあり、帰国した直後から「すぐにまた戻りたい」と思っていました。もっと長く住んでみたい、ちゃんと英語が話せるようになりたいと強く思ったのです。ですが、イギリスは授業料も生活費も何もかもが高く、正規留学は私にはハードルが高過ぎました。でも留学を諦める事が出来ず、カナダに辿り着きました。
イギリスとは全く違う国ではありますが、今の私があるのは、カナダに留学した時のたくさんの出会いで支えられている事を考えると、結果的にはカナダに行けて良かったと思っています。
大学へ進学してからは、自分より先に大学へ進学していた日本人や現地のカナダ人の方のアドバイスがめちゃくちゃ役立ちました。
履修の仕方は日本の大学と同じように決められた科目や選択科目がありますが、「1年生で履修しなければならない科目」「2年生で履修しなければならない科目」のような形ではなく、私の専攻は会計学だったので、Accounting1を受講しないとAccounting2が受講できないというような科目はありますが、それ以外の科目は何年生で履修しても良いです。
アドバイスとしては、一般教養の英語を最初の方に履修しない方がいいという事です。英語はやはりネイティブレベルの論文が書けるようになるまで、時間を要しますし、必ずチューターが必要になります。1年生で履修してしまうと結構苦労します。その他、同じ科目を教えておられる教授が複数いたら、どの先生が単位を取りやすいか、調査を入れる事が重要です。その点では日本人はお節介な方が多いので、色々教えてくれて助かりました。そしてもし無謀な教科を履修してしまったら、期間内にwithdraw (履修取りやめ)をする方が良いです。
カナダの大学の成績はA+、A、A-、B+というような評価で表され、GPAという履修教科全体での平均値が数字で出されます。主要大学へ編入したい場合は、このGPAが80%以上などという制限が設けられており、それを下回ると編入出来ません。そのため、主要大学へ編入を目指している方は、良い成績が取れないかもしれないと判断した科目については期間内にwithdrawして悪い成績を残さないというのが重要になります。
前述したように、Accounting1を受講した後にAccounting2を受講という順番は決まっていますが、1セメスターに何科目受講しなければいけないという決まりもなく、また留年もなく、学年が決まっていない為、極端に言えば6教科x2セメスターで1年分の履修をするべきところを4教科ずつ履修して6年かかって卒業しても全く問題ないというのがカナダの大学と日本の大学の大きな違いでもあると思います。カレッジから始めて、主要大学へ編入をお考えの方は、カレッジの1年目は3教科や4教科の履修から始めてきっちりといい成績を取るというのもひとつの手段です。もちろん、その分カレッジへ通う期間は少し長くなるのですが、目指している大学があるのであれば、一つでも単位を落としたり悪い成績がつくと、全体のGPAが下がってしまう事が懸念されるからです。そしてやはり、自分より先に自分の専攻している学部を先行している人に履修の順番や組み合わせ、担当教授の情報をしっかり調査出来ると成功するのではないかと思います。
私の場合は、マウントロイヤル大学で修士課程が取れるのでそれで十分でした。もちろんカルガリー大学の方が世界的に名前が知れているので編入を目指す方も多かったですが、大学へ編入した方はマウントロイヤルではA+ばっかりだったのにカルガリー大学ではBかCしか取れないと言っておられたので、主要都市の主要大学は日本の国公立大学のようにレベルが高いのだと思います。
ホームステイ
知り合いも誰もおらず、一人で日本を飛び立った私にとって、ホームステイ先のファミリーと子供たちが私の最初の友人であり家族でした。ホストファザーはインド系の方で、カナダで生まれ育っているのですが、ご両親がインド出身の方でした。ホストマザーはサスカチュワン出身の方で、白人のカナダ人でした。子供たちはとても可愛いく、私が到着した当初は3歳と5歳でした。共働きだったホストファミリーはホストマザーが幼稚園の先生だったのと、カルガリーの朝はとても早いので私が起床するころにはみんなもう家を出ていました。カルガリーの朝が早い理由のひとつは、トロントに本社がある会社が多く、トロントの就業時間に合わせて会社を開閉するオフィスが多い為、出勤が7時で就業が午後3時や4時という方が多いからです。なので夕食が6時くらいで、ファミリーの就寝がとても早かった記憶があります。
ホストマザーは天真爛漫で、私の個人的感想ではあるのですが、「ザ・欧米人」的な方で、細かい事は全く気にせず、いつも笑っていて、色んな事を褒めてくれて、楽しくて面白くて、音楽が鳴ると踊りだしちゃうような、とてもキュートな方で、本当に大好きでした。いつも忙しいのに帰宅後に美味しい食事を作ってくれて、お菓子も焼いてくれたり。お陰でこの時5キロ増量してしまいました。
私も勉強が忙しかったので、家に帰ると子供たちが遊んで欲しいと言って部屋に入ってきたりしていて、私も二人がとても可愛かったので、宿題は出来るだけ学校でやり終えて帰宅したりしました。私はこのファミリーと2年一緒に住まわせてもらったのですが、とても幸せで楽しい毎日でした。少しびっくりしたのは、このファミリーの事を入居後にチェンジして欲しいという方も2年間の中には居た事でした。私にとって最高のファミリーでも、誰かにとっては不満があるファミリーになってしまうというのは不思議ですよね。全ての人が全ての人と合うというわけではないので、仕方ない事ではあるのですが。
ホームステイ先を出た後も、私は時々ホストマザーと日本食を食べに行ったり、子供たちの誕生日のお祝いに会いに行ったり、ステイ先で食事をごちそうになったりと、割と頻繁に会っていました。私の両親や妹がカナダに遊びに来た際も会ってもらったり、食事に行ったりして、本当に良い関係を保てていました。
そしてホストファミリーとのつながりは私が日本に帰国した後も続いていて、私に息子が生まれた時、ホストマザーと二人の子供たちが日本まで来てくれました。とても小さな私の日本のマンションに2週間滞在して、京都・奈良・神戸なども一緒にまわりました。もう11年前の事なので、あれから11年も会っていないのですが、またいつか今度は私がカルガリーを訪れたいと思っています。
まとめ
私がカルガリーに居たのがもう20年ほど前になってしまうので、私が住んでいた頃とは変わったところもたくさんあるとは思いますが、今もカルガリーには私の大好きなホストファミリーや友人たちがたくさん住んでいて、情報交換したり連絡を取り合っています。私はカルガリーで知り合ったカナダ人と結婚して今、日本に住んでいますが、主人がモントリオールの出身なので、カルガリーへは2004年以来戻っていません。
間違いなく私の人生を大きく変えた都市であり、7年も生活をしていた街で、私の大切な人がたくさんいるので、第二のふるさとなので、いつか必ずまた帰りたいと思っています。
私がこれを読んでいる、留学を目指している方、また留学しようとしているご家族を応援されている方へ伝えたい事はひとつです。人生を変える大きな経験の出来る留学生活は本人とそのご家族の気持ち次第で良い経験にも満足できない経験にも出来ます。与えられた環境に感謝をし、人を思いやり、何事にも一生懸命取り組むこと。人は優しくされたら、自分も優しくなれます。言葉が通じなくても、優しさは通じます。人に何かしてもらう事を期待するのではなく、まずは自分から人に貢献してみてください。きっと素敵な人間関係を築き、一生の友人や繋がりがたくさん出来るのではないかと思います。